賃貸契約にかかる費用とは

2022.03.28

新しく事業を始めるときに、店舗や事務所を借りる場合には、色々な費用が必要になります。地域や物件によって必要になる費用は違ってきますが、ここでは一般的な賃貸契約にかかる初期費用についてご説明していきます。

初期費用の項目

  • 保証金
  • 礼金
  • 前家賃
  • 保証会社費用
  • 火災保険
  • 鍵交換代
  • 仲介手数料

通常、仲介する不動産会社からの明細書という形で発行されますが実際の支払い先は各項目によって違います。
例えば、保証金や礼金、前家賃などは賃貸オーナー(貸主)へ支払うものですし、保証会社費用は委託している保証会社、火災保険は契約する保険会社と支払先が異なります。
仲介する不動産会社が、便宜上まとめて請求したものを一旦預かって各支払先へとお客さんに代わりに支払いをおこないます。
その為、物件が同じであれば契約する不動産会社によって変わってくるのは仲介手数料のみとなります。
ただ、この仲介手数料も宅地建物取引業法(宅建業法)という法律によって上限が賃料1ケ月分と決められています。

最近では、自社物件の仲介などで仲介手数料が無料といった会社もありますが、仲介手数料が賃料の50%としている会社が多いのではないでしょうか。
ここで、注意が必要なのが住居用と店舗用で仲介手数料の割合が違う会社があるということです。住居用は50%の手数料ですが事業用については賃料100%とされている会社が多いため、契約の段階になって思っていた手数料と違うとならないためにも事前に確認が必要です。

賃貸保証会社

少し前までは、賃貸契約には保証人が必ず必要という物件がほとんどでしたが最近は賃貸保証会社を利用することで保証人が不要という契約も増えています。
これは、一定の保証料を支払うことで家賃滞納などの際に一時的に立て替えてくれる会社です。もちろん、滞納して立て替えた家賃については保証会社から請求がされる為に支払は当然必要です。
この保証会社については、利用する会社が徐々に増えてきていましたが2020年の民法大改正によって保証人よりも賃貸保証会社を重視するように一気に変わったと感じています。
民法改正によって、保証人に対してのルールが厳格化されたことが理由です。

礼金、保証金

住居用の賃貸契約で礼金、保証金が0円という物件も増えていますが、事業用では礼金や保証金が必要な物件というのが主流です。
しかし、事業を始めるにあたって手元資金を確保するということで保証金をなくしたり、減らしてもらうかわりに礼金を増やすなどの交渉が有効な場合もあります。

例えば、家賃が20万円の店舗契約で、礼金が1ケ月分・保証金が3ケ月分といったような場合に、礼金を2ケ月分とする代わりに保証金をなくしてもらうというような交渉です。
これは、賃貸オーナーからすると保証金は最終的に退去時には返金するお金である為、返さなくてもいい礼金が増えれば、保証金を減らしたとしてもメリットがあるからです。

このように賃貸契約をおこなう場合にも、経営方針や手元資金と相談しながら交渉出来る部分を見つけていくことが重要です。

まとめ

以上のように賃貸契約する際には家賃以外にも様々な費用が必要になります。
契約を進めていく上で、思ったよりも初期費用として必要になる金額が多かったとならないように事前に確認を取りながら進めていくことをお勧めします。

この記事を書いた人

松原元

松原 元(まつばら つかさ)

『社労士・行政書士つかさ事務所』にて士業として中小企業の許認可取得や労務管理のサポートをおこないながら、(株)リーガルシンクでは店舗不動産等の仲介から創業融資などの資金調達支援や補助金・助成金活用まで幅広く経営全般のサポートを提供。

社会保険労務士 行政書士

公認不動産コンサルティングマスター 宅地建物取引士

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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